達人の勝てるFX投資戦略レポート

ユーロ安が止まらない!? 今週の為替相場の行方は
先週1月3日〜1月6日までのおさらい
 年末からクロスユーロがユーロ安の独歩安相場に。ユーロ/米ドルは1.26台まで下落。また、ユーロ/円は97円台まで下落している。ユーロ/円がこの水準になるのは11年ぶり。実にユーロ発足当初の混乱期ほどの為替レートになりつつあるのだ。

 これに引きずられる形で米ドル/円も76円台後半に。年明け早々、円高の展開を見せている。なかなか、「買い」のトレードでは儲かりにくく、「売り」を行っているトレーダーにとってはボラティリティがあり、やりやすい相場ではないか。

9日にドイツとフランスの首脳会議
 ここまでユーロ安が進んでいるのには、欧州各国の国債入札が芳しくない。イタリア10年物国債利回りは7%近辺で取引を終えた。これは、ギリシャとアイルランド、ポルトガルが救済要請に追い込まれたレベルでもある。また、スペイン10年債利回りは5%を若干上回った程度。7%が危機的数字だとしても、5%は決して楽観視できるものではない。

 9日(火)にはドイツのメルケル首相とフランスのサルコジ大統領が今後3カ月間のユーロ圏救済の基本計画策定を目指し、今年最初の会談を行った。これまで、何度も会談を行っているが、相場を見れば市場参加者が欧州圏の政策に納得していないのは火を見るより明らか。この状況を打破できるような声明が出されるとは、なかなか思えない。

 状況に応じてユーロを売る戦略が今週も推奨されるかと思われる。とあるアナリストはユーロ/円の下限を95円台と設定している。しかし、ユーロ/円の最安値は88円台。そのレートを更新するにはまだ余裕があり、一層の下落もおかしくは無い。
ユーロ安のセリングクライマックスはいつになるのか
 昨年のユーロ/円は107円〜109円台でスタートし、春先には120円台に乗った。しかし、その後下落を続け、現在の水準に至っている。

 ここで注目なのが「ユーロ安のセリングクライマックス」がいつになるかということだ。とあるアナリストでは、相場のオーバーシュートを見ると、「売りが溜まっている状態」と分析する人もいる。

 しかし、大半のアナリストは「一時的に値を上昇させることはあっても、限定的。まだまだ、ユーロ安の流れは変わらない」としている。カギとなるのは、国債の償還期限。ユーロ圏は2012年1-3月に合計約1570億ユーロ(約15兆6200億円)規模の国債の償還期限を迎える。特に注目されるのは3月のイタリア国債だろう。これらを入札の動きを合わせてチェックしていきたい。

 また、民主党の山岡賢次消費者行政担当相が、5日に内閣府職員を前にした訓示式で「ユーロは破綻するのではないか」などと発言。ネットでは「また、民主党の官僚は失言をしたか」と叩かれていたが、一部では「政治家ですらそういう認識になっているだな」というコメントも見られた。

 これほどまでにユーロ安が進んでしまうと、日本の主要なメーカーの円高対策にも影響が。各企業ともユーロ/円の下限を103円〜109円台に想定しているところが多い。実際、昨年までの水準ならばそれで問題なかったとは思うのだが……。

 今年に入ってからユーロ/円は90円台に突入し、10年ぶりの安値97円台にまで突入。この円高ユーロ安が日本企業にどのような影響を及ぼすかもチェックが必要だ。

ユーロ/円のターゲットは95円台!?


予想レンジ
米ドル/円、75.70-77.50円、ユーロ/円、96.5〜100.50円、ユーロ/米ドル、1.2500〜1.2800
為替相場を占う今週の重要経済指標
1月12日(木)
21:45 (ユーロ圏) 欧州中銀金融政策発表 前回1.00%

 2012年は本格的なユーロ崩壊が訪れるのか、それともドイツをはじめとする国々の結束で乗り切れるのか。そのカギを握るのは、欧州中央銀行の政策金利。昨年、引き下げがあり1%台になったが、これ以上下げてゼロ金利になるようなことがあれば……。もちろん、ユーロの売りで応戦したい。

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