達人の勝てるFX投資戦略レポート

ユーロの悪材料は出尽くし!? それでも、まだユーロが売りなワケ
先週1月16日〜1月20日までのおさらい
 ユーロ/円、ユーロ/米ドルの下落は一度止まり、先週は戻りの上昇を見せる展開となった。ユーロ/円は97円台から、一時100円台を回復。先週の終値は99円50銭となっている。一方のユーロ/米ドルは1.26台から1.29まで上昇した。

 一方で相変わらず値動きが少ないのは米ドル/円だ。76円台後半〜77円台の狭いレンジのなかで推移している。ユーロが主役になっている今、米ドル/円は完全に置いていかれている展開になっている。

 先週1週間の相場はS&Pによるユーロ9か国の格付けショックから、一旦は調整が入った。そんな相場展開だったと言えよう。

ユーロが上昇した理由は「悪材料出尽くし」!?
 このユーロの上昇となった要因は、スペインやフランスの国債入札が好調だったから。また、IMF(国際通貨基金)が融資能力を最大5000億ドル規模に拡大する方針を発表した。さらには、ギリシャ政府が民間債権者との協議を再開したことなどが挙げられる。これらの材料によって、ユーロは2円ほどの上昇に転ずることになった。

 とりあえずは、格付けのショックも一段落し、国債の入札が滞りなく行われれば、ユーロ経済はとりあえず回っている寸法になる。これを「悪材料の出尽くし」と見ているアナリストもいる。

 ただし、これが明確な円安ユーロ高へのトレンド転換ではない。市場関係者の多くは「この反発しているユーロの局面は、世界中の投資家よるユーロショートの巻き戻しに過ぎない」と考えているようだ。

 つまりは、世界各国の投資家たちはユーロを売ることを手ぐすね引いて待っており、その一時の利食いが先週の上昇にすぎないということだ。
まだまだユーロは「売り場探し」の展開か!?
 また、「ユーロの悪材料じゃ出尽くした」とは言っても、目先のレベルでの話。2月〜3月にかけては、ギリシャやスペイン、イタリアの各国国債が償還期限を迎えるものが出てくる。それらに対してユーロ圏はキチンと立ち向かえるかどうか。それに応じて、ユーロはまた上下することになるかと思われる。

 2〜3か月の中長期的に見れば、「円買い/ユーロ売り」を推奨するアナリストが多い。週足でのテクニカル分析を見るとユーロ/円は、100円00銭のところに大きなレジスタンスがあったようだ。今週に入って、それを維持できずに99円台に割り込んでしまっている。

 100円台を維持できないということは、まだまだ下落への圧力が強いということだ。103〜105円台をストップロスにして、97〜95円台まで売り持ちのポジションを勧めているアナリストもいる。

 市場関係者の本音を行ってしまえば、「ギリシャがデフォルトする」か、「ユーロ圏から離脱を決めるか」しか、解決法がないのではという見方も広がっている。これまで「ギリシャのデフォルト」はネガティブな要素として捉えられてきたが、「いっそのこと一度まっさらにしてしまうことで、この後の展開が見えやすくなるのでは」という憶測だ。そういった見方が広がれば、ギリシャのデフォルトをポジティブにとらえて、ユーロが上昇する日も来るかもしれない。

ユーロは売り場を探す展開に!?


予想レンジ
米ドル/円、76.50〜77.50円、ユーロ/円、96.50〜101円、ユーロ/米ドル、1.2550〜1.29
為替相場を占う今週の重要経済指標
1月25日(水)
26:30 (米) FOMC政策金利発表 前回0.00-0.25%

 今年最初のアメリカ、FOMCの政策金利発表が25日(水)に発表される。年明けから、米国の株価は好調。その勢いを持続させることができるかどうかがカギだ。ただし、時間が日本時間の午前2時半。寝ぼけて変なポジションを取らないように注意しよう。また、突発的な動きもありうるのでリスクヘッジは十分に。

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