ニュージーランドドルはオーストラリアドルと並び、FX投資家に絶大な人気を誇るオセアニア通貨。歴史的に高金利通貨であるがゆえに、国内経済に矛盾を抱える。比較的安定かつ、理想的な経済成長をしている安定国通貨。
ニュージーランドは主要国の中でも政策金利がオーストラリア以上に突出して高く、FX投資家に絶大な人気を誇る。エネルギー・資源国通貨であるカナダドル、オーストラリアドル、南アフリカランドとは異なり、農業資源国通貨であることも覚えておきたい。高金利政策を長年とっているため投資資金が集中し、ニュージーランドドル高を支えている。その一方、投資資金が集中しすぎ国内経済に影響を及ぼすという矛盾を抱える。貿易収支、経常収支の赤字が大きく減らないものの、好調なオーストラリア経済に牽引され、近年ニュージーランド経済も理想的な成長を続けている。
ニュージーランドドルの特長
●安定かつ理想的な経済成長 | ●同国の国債は最高格付け |
●世界の経済事情の影響をうけにくい | ●欧米のような地政学リスクがない |
ニュージーランドドルは、高い政策金利を背景に買われ続けている。インターバンク市場における主要8通貨の中では最も流動性が低いため、機関投資家の動向に左右され変動幅も非常に大きい。貿易赤字、経常収支が拡大すると通貨高による輸出額の減少を招く。国の政策として高金利を維持しているニュージーランドだが、ニュージーランドドル高がすすむと、要人から通貨高牽制発言が出され、ニュージーランドドルの下落を招くという矛盾を抱える。日本円同様、国が為替レートを調整するという側面をもっている通貨であると言えよう。また、地理的にもオーストラリアと密接な関係があり、ニュージーランドドルとオーストラリアドルの為替レートは似たような動きをする。
ニュージーランドの人口は400万人という数字を見てもわかるが、経済規模が非常に小さい。結果国内の生産・消費活動が非常に小さいため、外貨による資本収支を支える必要があり、高金利政策により、海外からの投資マネーを誘導している。RBNZ(ニュージーランド中央銀行)は2007年8.00%まで政策金利を引き上げており、ニュージーランド円は90円まで高騰している。しかし、オーストラリアドル同様に、今後は継続的な政策金利の引き上げは難しくなるため、金利引き上げ期待感が薄れるにつれ、ニュージーランドドル円の為替レートも下落するだろう。好調なオセアニア経済に牽引されることが予想されるが、通貨高による同国の景気動向には注意が必要。GDP成長率には要注目である。
人口 | 410万人 | 政策金利 | 6.25% |
GDP | 2.8% | GDP成長率 | 2.20% |
一人当たりのGDP | 2万6400ドル | 外貨準備高 | 82億ドル |
貿易収支 | 28億ドル | 経常収支 | ▲38億ドル |
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