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覚えて納得!これがFX投資のツボ

スワップ派が好む金利差投資法
スワップ目的のキャリートレードも、油断は禁物
何度かご説明をしているようにFX(外国為替証拠金取引)には、2つの投資手法がある。1つは中期的に外貨を保有し、貯蓄のように金利差を得る手法。もう一つは、短期的に売買し、売買利益を得る手法だ。ここでは、金利差を得る取引の要領と注意点を考えてみよう。
金利差投資法はスワップ金利が低いときほどチャンス!
これまで高金利通貨として人気があった豪ドル、NZドル、南アフリカランドと日本円の金利差がないために、現在スワップ重視のFXが軽視されがちである。しかしそれは大きな間違いである。各国の政策金利が低い今こそ、金利差投資法が有効なのだ。以下のグラフを見てほしい。実は通貨ペアごとの金利差の推移と、為替レートの方向性はほぼ一致しているのだ。今後「政策金利が高くなる見込みがある通貨」と「その見込みがない通貨」の通貨ペアの為替レートは中長期的に上がる傾向がある。
※水色の線は政策金利の推移 ※オレンジ色の線は為替レートの推移。


政策金利が高くなっていくということは、その国の景気が過熱気味となっており、インフレ懸念から金融経済の引き締めにむかっていることになる。金融引き締めの目的が終了したら、政策金利は安定し、いずれは下がってくるのが通例。すなわち政策金利がすでに高く、たくさんスワップ金利をもらえるときにその国の通貨を買うのではない。現在のようにスワップ金利があまりもらえないときに、今後景気回復が望める国の通貨を買うべきなのだ。

上のグラフを見てもわかるとおり、2国間の金利差が大きくなるにつれ、その通貨ペアの為替レートは上がり、スワップ益と、為替売買益と2度おいしい金利差投資法となる。金利差投資法とは、高金利通貨を買ってほったらかしておくのではなく、スワップ益と為替売買益の2つの利益を狙う投資法であることを覚えておきたい。金利差投資法ほど、為替レートの方向性を重視しなくてはいけないのである。スワップ金利のみでスプレッドなどの取引コストを埋めるのには時間がかかってしまうからである。

現在の為替相場で言うと、先進国の中でいち早く政策金利を引き上げたのはオーストラリア(2009年10月に3.0%から3.15%へ利上げ)の豪ドルと日本円の通貨ペアの組合せが一番よさそうだ。
レバレッジに注意
まず金利差を得る投資(キャリートレード)の基本的な仕組みを考えてみる。例えば、円を売って豪ドルを買う、という場合。投資家は、円を売ることで円の金利(日本の短期金利)を受け取る。つまりオーストラリアドルと日本の金利差を受け取ることができるわけだ。下の表を見ていただきたい。豪ドルの「金利差」のところに、それを掲載している、オーストラリアと日本の金利差は2.9%(5月4日)である。豪ドルを買った投資家は、この金利差がもられることになるのだ。
人気通貨のスワップ金利(2009/9/10)

ただしFX業者の画面ではこの%を表示するよりも「スワップポイント」という表示するのが普通。「スワップポイント」とは「スワップ金利」とも言われ、投資家がある通貨に1万単位投資した場合の1日当たりの金利差を受取額(円表示)にしたもの。例えば、1万豪ドル投資した場合(レバレッジ1倍の総代金は792,300円)、投資家は1日当たり162円がもらえる、ということだ。

これを1年間受け取り続けると、年率2.9%になる。ただし、このスワップポイントは変動するので、現実にもらえる金額は異なるが、金利差が大きい組み合わせの通貨に投資すれば、それだけ大きなスワップポイントを得られる。

さらに、FXの場合、高いレバレッジで投資できる会社が多い。レバレッジとは事前に入金した証拠金の何倍かの資金を借りて、売買ができることだ。FX会社の多くは、10倍以上のレバレッジをかけられるから、100万円の証拠金があれば、1000万円以上の投資ができる。

これを例えば前出の豪ドルの例で考えてみよう。1万豪ドルの資金を実際に入金し、それを証拠金として、2倍のレバレッジの取引をすると、2万豪ドル(792,300円×2=1,584,600円)の投資ができる。これにつく金利差(スワップポイント)は2.9%となるので、62円×2=124円(1日当たり)となり、実際の投資額、1万豪ドルに対しては、2倍の5.80%となる。

ただし、レバレッジを高くすると為替の変動によっては、自動で売却される恐れも大きくなる。7万9230円の証拠金をもとに、10倍のレバレッジで1万豪ドルを買った後、5%円高豪ドル安になれば、3万4610円の損失となり、証拠金の半分が吹き飛ぶ(手数料などは考慮していない)。そうなると、最低維持しなければならない証拠金率が保てないから、強制決済になるのだ。あまり高いレバレッジを利用することは避けたほうがいいだろう。
通貨の安定性がないと投資は難しい
キャリートレードを行う場合、どうしても金利差の大きさに目が行く。しかし重要なのは、投資する通貨の安定性だ。豪ドルのように年間2.90%の金利差を得られたとしても、それ以上豪ドルの価格が下がれば(円高になれば)、前述のようにすぐに損失になってしまう。最近では米ドルが不安定な動きを見せ、大きな上下をしている。スイスフランは安定しているが、金利が低いため、円とのキャリートレードには向いていない。これらの情勢をよく見て、対象通貨を決めていきたいものだ。

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