達人の勝てるFX投資戦略レポート

為替相場は日銀の金利政策で遂に円安に!上昇トレンドは続くか?
先週2月13日〜2月17日までのおさらい
 先週の米ドル/円は77円台後半から79円台まで上昇した。ユーロ/円も102円台から105円台への上昇を見せている。いずれもクロス円は上昇。07年から続いた円高トレンドに「遂に終わりが来たか?」という声も寄せられている。

 一方でユーロ/米ドルは、1.29から1.32のレンジ内で推移。クロス円が動いた分、ユーロと米ドルは拮抗しており、レンジ内の推移に留まったとみられる。ユーロのソブリン債券問題に対しては、現在既に織り込み済みとみられているようだ。

  先週はクロス円が主体となり、相場を動かしていたと言えるだろう。

日銀の金利政策決定が円安への追い風に
 07年からクロス円は円高相場。政府も昨年は、3月、8月、11月と計三回に分けて為替介入を行った。しかし、具体的な効果には乏しく、先月末にはまたもや75円台に突入しようかとしていた。

 そんななかで2月14日(火)に日銀の金利政策が発表された。通常ならば、日銀の発表はそれほど為替にはインパクトは与えない。FRBやECBのように、サプライズの内容があるわけではなく、内容も平凡だからだ。しかし、今回は違った。

 中長期的に持続可能な物価の安定と整合的と判断する物価上昇率として、「中長期的な物価安定の目途」を新たに導入することを決定。消費者物価指数の前年比上昇率で2%以下をプラス領域とし、当面は前年比上昇率1%を目途とする。また当面、消費者物価指数の前年比上昇率1%を目指して実質的なゼロ金利政策と金融資産の買い入れ等の措置により、強力に金融緩和を推進していく。

 そして資産買い入れ等の基金を55兆円程度から65兆円程度に10兆円程度増額する。買い入れの対象は長期国債とするとの発表内容だ。

 注目されたのは、初めて「中長期的な物価安定の目処」を設けたこと。いわゆるインフレターゲットの設定ということになる。これまでも「物価安定の理解」として掲げていたが、具体的な数字に踏み込んだのは、今回が初めてだ。

 これは、先月のFOMCでバーナンキ議長が「2014年末まで年2%のインフレターゲットを設定する」と発言したことに倣ったものになるだろう。
円安トレンドの形成に成るか!?
この日銀の声明発表に対して、市場は好感を持って迎える。米ドル/円は77円台から79円台に。週明け20日(月)には、79円台後半で推移した。これは、昨年11月に行われた為替介入で上昇した水準と同じことになる。

問題になるのは、今後の動き。このまま、上昇トレンドが続くのか。それとも、どこかで円高トレンドに戻るのか。とあるアナリストのなかには、「現在の水準が最後の円高。今後2〜3年かけて120円台を目指す」という人もいる。

その理由は長期のトレンドから。米ドル/円は3〜4年単位で、円高・円安が繰り返される傾向がある。しかし、今回の07年からの円高トレンドは既に5年近くにも及ぶ。「さすがにそろそろ、円安方向へ向かう流れが来るのでは……」と長期トレンドからの予測を立てているのだ。

また、エリオット波動による分析によると、昨年付けたローソク足は下落の最後の波。昨年末には、「2〜3月に大底を付けて、その後上昇する」という予測を付けているアナリストもいた。今回の円安。時期はちょっと早いが、果たして今後は長期の円安トレンドになっていくのだろうか。いずれにせよ、見極めが必要である。トレードは慎重に行いたい。

クロス円は長期の円安トレンド発生なるか!?


予想レンジ

米ドル/円、78.50〜80.70円、ユーロ/円、103.20〜106.02円、ユーロ/米ドル、1.29〜1.3280

為替相場を占う今週の重要経済指標
2月23日(木)
22:30 (米)週間新規失業保険申請件数  前回34.8万件

雇用統計の先行指標として、毎週木曜日に発表されるのが「週間新規失業保険申請件数」。その週、失業保険を申請した人がどれくらいいるか。それによって、アメリカの景気動向を探るものだ。既にアメリカの失業率は8.3%にまで改善。また、今後も大型の公共事業のパッケージもしているので、さらに失業率は下がるとみられている。この指標もチェックして、雇用統計への弾みを付けたい。


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