達人の勝てるFX投資戦略レポート

EUサミットと豪ドルやユーロの金利発表も終了、為替相場は年末へ
先週12月12日〜12月16日までのおさらい
 先週の為替はユーロにまつわる値動きが多かった。米ドル/円は77円台後半〜78円台のレンジで推移。週明け、12日月曜日夜からユーロ/円は大きく下落。103円台〜101円台まで下がった。ユーロ/米ドルは1.3400〜1.2900台にまで下落。節目の1.3000を割れるかどうかに終点が集まっていた。

 この下落の理由は、8日〜9日に行われたユーロサミットの直後にも関わらず、ドイツのメルケル首相の発言がネガティブだったこと。また、ドイツ連邦銀行総裁のバイトマン氏の発言なども織り込んで下落している。

ユーロへの懸念に加えて北朝鮮の情勢不安が急浮上
 ユーロを取り巻く状況は依然、不安定。一つ会議が行われると決定がなされても、それに対して市場関係者が抱くのは「期待感」より「危機感」。それによって、どんな値動きになるかというと、最初にユーロの買い戻しが起こる。そして、ニュースが出て具体的な解決策が無いことを確認にして、ユーロを売るという算段だ。

 問題の根本的な解決には至っておらず、年末とはいっても十分相場が動く可能性はある。ユーロの問題は引き続き注視が必要だ。ディーラーのなかには、「休むも相場」と割り切って、年末年始は取引しないことを公言している人もいる。個人投資家はプロのように取引の縛りがあるわけではない。大切な資産を守るためには「取引をしない」という選択肢も考えられるだろう。

 そんななか、19日正午に世界を揺るがしたのは北朝鮮の「金正日総書記死去」のニュース。リビアのカダフィ氏や、アルカイダのビンラディン氏などに並んで、これまで世界を脅かした国のトップが亡くなる展開になった。
クリスマスウィークの取引には要注意
 金総書記のニュースによって、米ドル/円は上昇。韓国ウォンや韓国株は下落しているという。これは日本が東アジアの一部に含まれており、その影響を受けるかもしれないといったマーケットの判断であろう。しかし、「有事のドル買い」とはいうものの影響は限定的。これまでの円高を覆す円安トレンドの発生にはなっていない。米ドル/円は50銭程度の値動きにとどまっている。

 現在の報道では後継には金正恩氏が選ばれているとされており、大きな混乱は無いとみられている。しかし、今後、朝鮮戦争再勃発などになれば大きく値動きがある可能性も……。昨年、11月には北朝鮮軍が延坪島(ヨンピョンド)を砲撃する事件が起こっており、その時は米ドルが買われる展開になった。

 今週1週間はテクニカル分析というよりも、ファンダメンタルズで動く可能性が大きい。北朝鮮関連のニュースはあますことなくチェックをしたい。

 また、ファンダメンタルズで動く要因として、クリスマスウィークに突入したことも忘れずに。ヘッジファンドなどでは先週で今年の取引を終えているところも多い。今週以降の為替取引は普段よりも流動性が少ない。1分足チャートやティックチャートを見れば、「相場の薄さ」がわかるはずだ。そのため、大きな注文が入ると思わぬ方向に行く可能性も十分にある。くれぐれもムリな取引はしないように。

クリスマスウィークはファンダメンタルズに注意!


予想レンジ
米ドル/円、77.50-78.40円、ユーロ/円、101〜103.50円、ユーロ/米ドル、1.2850〜1.3150
為替相場を占う今週の重要経済指標
12月22日(木)
22:30 (米) 新規失業保険申請件数   予想36.6万件

 アメリカの1週ごとの景気動向を占うのが「週間新規失業保険申請件数」。毎週出される指標だが、その週ごとに失業保険の申請数を数えることによって、米国内のリアルな景気を判断するものになる。雇用統計の先行指標として位置付けている人も多い。

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