8月2日に期限が迫っていたアメリカの債務上限引き上げ問題。ギリギリで共和党と民主党の妥協案が成立し、債務不履行(デフォルト)の危機は回避された。今回はこの問題についての緊急レポートをお送りする。
そもそも、アメリカも大きな財政赤字を抱える国。しかし、アメリカの場合は法律によって債務上限が決まっているのだ。その債務上限は法律を提出し、上院下院で通過すれば晴れて引き上げとなる。個人の場合に置き換えて見るとキャッシュカードがいい例だ。キャッシュカードを使ってたくさん買い物をしていたけれど、限度額に達してしまった。引き続き買い物をするためには新しくカードを作らなければならない。そのカードを作るために法律を変えるといった寸法だ。
今回、決着するまで問題が長引いたのは日本でいうところの「ねじれ国会」のせい。オバマ大統領は昨年の中間選挙で負けており、上院と下院で民主党と共和党の勢力が逆になってしまっているのだ。共和党としては、先延ばしする期限を大統領選挙にぶつければ民主党を揺さぶるネタとなり得る。反対にオバマ有する民主党としては大統領選挙後に期限を設定することによって自党の有利になるのだ。
しかし、今回の問題によってアメリカ経済の先行き不安も露呈。8月5日に発表されたアメリカの7月度雇用統計で失業率は9.1%、前月の9.2%から考えると若干改善されたものの非農業部門雇用者数変化の数値が悪化。一時は円安ドル高に傾いたものの「やはり、まだまだアメリカは厳しい」という見方が強いようだ。そして、8月6日の午前中に大手格付け会社S&Pが、アメリカ国債の格下げを最高位のAAAからAA+に格下げ。週明けの相場が荒れることが予想される。
ECBのトリシェ総裁は8月4日にユーロ圏経済について「不確実性が非常に高い」と発言。この発言の意味は「ヨーロッパもPIGSの問題があって大変。アメリカの状況も悪いし、てゆーか、ぶっちゃけ世界経済ヤバイよね」という内容だ。
日本政府も輸出関連企業を守るという名目で、ついに為替介入を8月4日に行った。 「見守るしか能がない」と言われていた野田財務大臣がついに動いたかと市場は騒ぎになった。しかし、3月の震災直後に76円25銭を付けたあとの介入と違うのは、単独介入であるということ。震災直後は「地震で日本が大変だよね、助けてあげなくちゃ」という意図が世界中にあった。しかし、震災から5か月がたち、「世界経済もそれどころではない」という感覚なのだろう。事実、為替介入後トリシェ氏の発言によって、リスク回避の流れとなり円が買われる展開となった。
そもそも、アメリカも大きな財政赤字を抱える国。しかし、アメリカの場合は法律によって債務上限が決まっているのだ。その債務上限は法律を提出し、上院下院で通過すれば晴れて引き上げとなる。個人の場合に置き換えて見るとキャッシュカードがいい例だ。キャッシュカードを使ってたくさん買い物をしていたけれど、限度額に達してしまった。引き続き買い物をするためには新しくカードを作らなければならない。そのカードを作るために法律を変えるといった寸法だ。
今回、決着するまで問題が長引いたのは日本でいうところの「ねじれ国会」のせい。オバマ大統領は昨年の中間選挙で負けており、上院と下院で民主党と共和党の勢力が逆になってしまっているのだ。共和党としては、先延ばしする期限を大統領選挙にぶつければ民主党を揺さぶるネタとなり得る。反対にオバマ有する民主党としては大統領選挙後に期限を設定することによって自党の有利になるのだ。
しかし、今回の問題によってアメリカ経済の先行き不安も露呈。8月5日に発表されたアメリカの7月度雇用統計で失業率は9.1%、前月の9.2%から考えると若干改善されたものの非農業部門雇用者数変化の数値が悪化。一時は円安ドル高に傾いたものの「やはり、まだまだアメリカは厳しい」という見方が強いようだ。そして、8月6日の午前中に大手格付け会社S&Pが、アメリカ国債の格下げを最高位のAAAからAA+に格下げ。週明けの相場が荒れることが予想される。
ECBのトリシェ総裁は8月4日にユーロ圏経済について「不確実性が非常に高い」と発言。この発言の意味は「ヨーロッパもPIGSの問題があって大変。アメリカの状況も悪いし、てゆーか、ぶっちゃけ世界経済ヤバイよね」という内容だ。
日本政府も輸出関連企業を守るという名目で、ついに為替介入を8月4日に行った。 「見守るしか能がない」と言われていた野田財務大臣がついに動いたかと市場は騒ぎになった。しかし、3月の震災直後に76円25銭を付けたあとの介入と違うのは、単独介入であるということ。震災直後は「地震で日本が大変だよね、助けてあげなくちゃ」という意図が世界中にあった。しかし、震災から5か月がたち、「世界経済もそれどころではない」という感覚なのだろう。事実、為替介入後トリシェ氏の発言によって、リスク回避の流れとなり円が買われる展開となった。
日銀による為替介入がありながらも、アメリカの不安が解消されない限り、基本的にはドル安の流れ。それに対抗するためには日本円もアメリカと同じぐらい刷らなければいけないが……。95年に史上最高値と呼ばれた79円75銭を付けた時と同じ通貨量換算だと、米ドルが増えているので59円まで下落余地があるのだとか…
単独介入は基本的に、その効果は持続しない。昨年9月にあった日銀の介入も結局は85円付近まで押し上げることが出来たが、10月にかけてジリジリと下落することとなった。円高トレンドを一服させたのは、為替ディーラーの年末のポジション調整だと考えられる。つまりは、介入しても意味がないのだ。現在の状況を見ても、76円25銭の戦後史上最安値に近づく動きもあり、まだまだドル安の流れは続きそう。値幅の目安としては76円25銭をさらに越え、73円台を示唆するアナリストもいる。
それに、夏場は大相場になることが多い。サブプライムショックの発覚は07年の8月だったし、リーマンショックは08年の9月だった。もし、アメリカ国債の格付けが下がるようなこともあれば……。リーマンショックを超える世界金融危機が訪れるかもしれない。しかし、ピンチはチャンス。先回って売りに転じることができるのもFX。暴落相場に備えながらも、デイトレを行ってみてはいかがか。
単独介入は基本的に、その効果は持続しない。昨年9月にあった日銀の介入も結局は85円付近まで押し上げることが出来たが、10月にかけてジリジリと下落することとなった。円高トレンドを一服させたのは、為替ディーラーの年末のポジション調整だと考えられる。つまりは、介入しても意味がないのだ。現在の状況を見ても、76円25銭の戦後史上最安値に近づく動きもあり、まだまだドル安の流れは続きそう。値幅の目安としては76円25銭をさらに越え、73円台を示唆するアナリストもいる。
それに、夏場は大相場になることが多い。サブプライムショックの発覚は07年の8月だったし、リーマンショックは08年の9月だった。もし、アメリカ国債の格付けが下がるようなこともあれば……。リーマンショックを超える世界金融危機が訪れるかもしれない。しかし、ピンチはチャンス。先回って売りに転じることができるのもFX。暴落相場に備えながらも、デイトレを行ってみてはいかがか。
毎月更新!勝てるFX投資戦略レポート
- 2011年6月号「6月末にアメリカのQE2終了で「ドル高円安」トレンドが発生!?」
- 2011年7月号「今月の市場テーマはやっぱりユーロ! PIGSの対応はどうなる!?」
- 2011年8月号「アメリカのデフォルト次第では米ドル、ユーロ、円は乱高下!?」
- 緊急!アメリカの債券不履行問題で揺れる為替相場
- 2011年9月号「9月相場は日銀介入に気をつけつつも、サプライズがあれば下落」
- 2011年10月第1号「引き続きユーロに着目 ギリシャのデフォルトは避けられない!?」
- 2011年10月第2号「ソブリンリスクへの対応が鮮明となったユーロ!売り場を探す」
- 2011年10月第3号「ソブリンリスクの対応を迫られるユーロ、日銀は円売り介入か?」
- 2011年11月第1号「【緊急!】日銀の為替介入で円安に振れた為替相場。今後の行方は?」
- 2011年11月第2号「ギリシャの情勢が依然不安定。今週のFX戦略はレンジ内で細かく取引」
- 2011年11月第3号「イタリア、ベルルスコーニ首相が退陣、ユーロの今後はどうなる!?」
- 2011年11月第4号「崩壊寸前のユーロ。フランスの格付けも!?ユーロ円の今後に注目」
- 2011年11月第5号「ユーロ諸国は破たん寸前・・だからこそ!FXにチャンスあり!?」
- 2011年12月第1号「雇用統計の結果を受け、年末12月の為替相場で一勝負!」
- 2011年12月第2号「EUサミットと豪ドルやユーロの金利発表も終了、為替相場は年末へ」
- 2011年12月第3号「為替相場はユーロへの不安は消えないままクリスマスウィークに突入」
- 2011年12月第4号「2011年為替相場の焦点はユーロ。そろそろ2012年1月のFXの準備をしよう!」
- 2012年1月第1号「2012年の為替相場を予想する!FX勝利の計は元旦にあり!?」
- 2012年1月第2号「ユーロ安が止まらない!? 今週の為替相場の行方は」
- 2012年1月第3号「FXブーム再来!?ユーロキャリートレードでスワップ時代突入か?」
- 2012年1月第4号「ユーロの悪材料は出尽くし!? それでも、まだユーロが売りなワケ」
- 2012年1月第5号「FRBショックで判明した最弱通貨は米ドル、ユーロ、日本円・・・」
- 2012年2月第1号「米国雇用統計の結果を受けて、今後はアメリカのインフレターゲットに注目!?」
- 2012年2月第2号「為替相場の旬のテーマは米ドル?ユーロ?今週は揺れる一週間に・・・」
- 2012年2月第3号「為替相場は日銀の金利政策で遂に円安に!上昇トレンドは続くか?」
- 2012年2月第4号「円安トレンド発生で、米ドル/円のターゲットは100円台!?」
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